ふつうにある感じがしみじみ不思議な「つゆ焼きそば」

東北地方を旅行したとき、青森のホテルで妙なものを目にします。朝食バイキング、ずらりと並ぶおかずのなかに「つゆ焼きそば」の表示が。保湿容器にごくふつうの焼きそばが入っていて、その隣に和風だし風のつゆが入った保湿ポット、「焼きそばにかけてください」と書かれた紙が貼っています。

そして、「B級グルメつゆ焼きそば」の表示もあります。なぜ焼きそばにつゆを?あまりに不思議なので、思わず皿に焼きそばを入れ、つゆをかけて食べることにしたのです。なぜ焼きそばにつゆを、の疑問は食べてなを、さらに強まります。

そこでホテルの従業員に聞いてみることに。すると「つゆ焼きそばは青森のソウルフードです」と即答し、さらに「味噌カレー牛乳ラーメンなどもありますよ」とつけ加えての説明がありました。味噌・カレー・牛乳?ますます謎が深まりそうなので、それについては考えるのをやめ、そういうものなのだろう、と思うことに。郷土料理には、「そういうもの」なのだろうとしか納得できないものがよくあります。

伊勢のおかげ横丁で、はじめて伊勢うどんを食べたときも「え?」と思いました。ふわふわのうどんに甘めのたれがかかって食べた瞬間、食べたことを忘れるくらいの軽さです。また、おみやげでもらってびっくりしたのは滋賀のサラダパンです。

コッペパンに、たくあんをマヨネーズで会えたものが挟まっています。これが意外においしい(笑)。いったい誰が、このなんでもない素材たちの組み合わせを思いついたのか不思議ですが、これも「そういうもの」として堂々と存在しています。

私が生まれ育った土地には、ソウルフードと言えるものがありません。おそらくそのせいで、珍妙な郷土料理が猛烈にうらやましく感じるのでしょうね。私のなかで、ソウルフードとふるさとは同義になっていて、全国的に見たら変でありながら、自身では変だと思わず愛しているもの。

そばめしとか明石やきとか、全国区に広がったスター郷土料理もあるけど、やぱっり、その土地にだけ根付いていて、よそ者が思わず首をかしげる食べものって魅力的ですね!

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